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グラスウールのメリットとデメリット 断熱材を安さと断熱性能だけで選んではいけない理由がわかる

グラスウールのメリットとデメリット 断熱材を安さと断熱性能だけで選んではいけない理由がわかる

グラスウールは安くて断熱性能の高い素材として、多くのハウスメーカー、工務店で使われる断熱材です。しかし、グラスウールが安いからといって、安易にグラスウールを使うのは危険です。施工を間違えれば、グラスウールの断熱性能が失われ、冬寒く夏は暑い家に早変わりするリスクもあるのです。グラスウールを断熱材として使うにあたり、おさえておくべきポイントを解説いたします。

グラスウールは安いけど湿気に弱いのが難点

グラスウールは材料費も施工コストも安いのが売りですが、湿気に弱いという致命的な弱点があります。

グラスウールは、セルロースファイバーと違って吸放湿の性能がありません。いちど水に濡れたグラスウールは、自身の重みで潰れてしまいます。

グラスウールとセルロースファイバーをコップの水に落とすという簡単な実験を行なってみました。この動画を観てもらうと、グラスウールが湿気に弱いことが直感的に理解できます。


グラスウールがつぶれれば、施工時に壁の中に充填しても、あとから隙間ができてしまいます。隙間には断熱性も気密性もないので、断熱性能を謳った家も「冬寒く夏暑い家」に早変わりしてしまうというわけです。

弊社でも築4年、7年の住宅をリフォームした経験があります。壁を開けるとグラスウールがつぶれてしまい、壁の中がぐちゃぐちゃという光景を目の当たりにしました。

カタログスペック上はなんの問題はないが湿気に弱いので、目に見えないところで断熱性能が発揮できなくなる恐れがあるのがグラスウールの弱点です。

後述しますが、グラスウールの断熱性能をキープするならば防水の施工が必要になります。

グラスウールが断熱性能を発揮するには防水の施工が必要

グラスウールの断熱性能が発揮できないのは、グラスウールそのものに問題があるわけではありません。グラスウールを湿気から守るための施工ができていないことに問題があるのです。

グラスウールを湿気から守るには、以下のような施工が必要になります。

  • 透湿防水シートでグラスウールを覆う
  • グラスウールを袋詰めの状態で施工する

このような対策が必要になります。

みなさんがお付き合いする工務店、ハウスメーカーが、透湿防水シートや袋詰めのグラスウールを使って正しく施工してくれるのかどうか、しっかりと確認した方がよいですね。

画像:建材ダイジェストより転載

透湿防水シートでグラスウールを覆えばいいかといえば、そういうわけではありません。

透湿防水シートをタッカー(ホッチキスのようなもの)で数カ所とめるだけという施工をしている工務店も多いです。この施工方法では、タッカーとタッカーの隙間から湿気が入り込んでしまいます。

両面のブチルテープできっちりと隙間を埋めながら貼り合わせていくのが、正しい透湿防水シートのとめ方です。

WELLNEST HOMEがグラスウールを積極的に採用しない理由

ここまでグラスウールの説明をしておいて恐縮ですが、弊社ではグラスウールを積極的に採用しているわけではありません。なぜならば、私たちが断熱材に求めることは断熱性能だけではないからです。

  • 吸放湿性能
  • 耐火性能
  • 防蟻性能
  • 防音性能

こういった様々な性能を考えたうえで断熱材を選んでいるのです。

たとえば、壁の断熱材として、充填断熱としてセルロースファイバー、外断熱にロックウールを使っています。

セルロースファイバーは新聞紙のリサイクルによってつくられた自然素材の断熱材です。セルロースファイバーには、断熱性能以外に以下のような特徴があります。

  • 吸放湿性能に優れている
  • 防音性能が高い
  • 防蟻性能がある

セルロースファイバーはグラスウールと違って吸放湿性能があります。湿度に応じて湿気を吸ったり吐いたりするのです。そのため、快適で健康と言われる40〜60%の湿度をキープしてくれます。

グラスウールのように湿気によってダメになるということもありません。

セルロースファイバーについて詳しく知りたい方は、セルロースファイバーが最強の断熱材と言われる7つの理由をご覧ください。

壁の外側にはロックウールを貼り付けています。ロックウールは岩を溶かして繊維状にした断熱材です。ロックウールはとにかく火に強いのです。600℃まで形状を維持できます。近隣で火災があっても、自宅が燃える心配もありません。

断熱材について詳しく知りたい方は、断熱材の種類・断熱材の選び方を徹底解説しますをご覧ください。

断熱材のことをいくら語っても、家の性能は実際に体感していただくのが早いです。そこで、WELLNEST HOMEでは宿泊体験(試住)を無料で行っています。

断熱によって家中どこにいても快適な室温をキープしているのはもちろん、湿気がこもらずカビも生えないきれいな空気と騒音のない快適な1日を、肌で体感していただくことを強くお勧めします。

グラスウールはどのような断熱材か?

グラスウールは、リサイクルガラスを主原料としたガラスを高温で溶かし、繊維状に加工した断熱材です。細かい繊維と繊維の間に空気の層を作ることで断熱性能を発揮することができます。

繊維の集まりなので、軽くて運びやすいという特徴もあります。

さらにグラスウールは、フェルト状、ボード状、吹き込み用バラなど様々な形状があります。

形状によって施工方法や用途も変わります。

フェルト状のものは透湿防水シートで覆い湿気から守る必要があります。住宅の屋根天井・壁・床など様々な用途があります。

吹き込み用のグラスウールは、施工に専用の機械が必要になります。こちらも住宅の屋根天井・壁・床など様々な場所の断熱に使用されます。

グラスウールが断熱性能を発揮しにくいもう一つの理由

グラスウールは湿気に弱いこと以外にも、断熱性能を発揮しにくい理由があります。

それは、隙間なく施工するのが難しいことです。

断熱材というと、どうしても熱伝導率、熱貫流率の大小に目が行きがちになります。 しかし、せっかく材料自体が熱を通しにくくても、それを隙間なく施工できなければ意味がありません。

まず、グラスウールと他の断熱材の熱伝導率を比べてみましょう。

素材名

熱伝導率(W/m・K)

グラスウール

0.05

セルロースファイバー

0.04

発泡スチロール(EPS)

0.032

ウレタンフォーム

0.024

フェノールフォーム

0.02

若干の差異はあるものの、グラスウールが他の断熱材よりも劣っていることはなさそうです。

次に、グラスウールをどれくらいの厚みで充填するかです。

もし熱貫流率(U値)0.53W/m・Kを出すならば、グラスウールの厚みとして87mmは必要になります。この厚みがどうなのかを、他の断熱材と比べてみます。

素材名

厚み(mm)

グラスウール

87

セルロースファイバー

74

発泡スチロール(EPS)

56

ウレタンフォーム

42

フェノールフォーム

35

フェノールフォームは圧倒的に厚みがうすいのですが、グラスウールとセルロースファイバーでそこまで差は見られませんね。

グラスウールとセルロースファイバーの断熱性能を分ける大きな要因は、素材自体が熱を通しやすいかどうかではありません。断熱材を隙間なく施工できるかどうかです。

いくら断熱材の熱伝導率が低く分厚く施工されていても、柱と断熱材の間に隙間があれば、隙間から熱が漏れてしまいます。

グラスウールを施工するとなると、マット状やボード状のものをカットして壁にぴったりと埋め込まなければなりません。施工の精度は職人の技術レベルによって変わってきます。筋交いやコンセントボックスなどの複雑な箇所では、とくに隙間が生まれやすくなります。

  • 熱伝導率
  • 断熱材の厚み
  • 施工の精度

これら3つの要素を考えると、グラスウールよりもセルロースファイバーの方が断熱材としては有利という結論になります。

グラスウールの3つのメリット

グラスウールには以下のようなメリットがあります。

  1. 材料費が安い
  2. 施工コストが安い
  3. 切断・曲げなど自由に加工できる

やはりコストの面でグラスウールを採用するという工務店、ハウスメーカーは多いですね。

グラスウールのメリット①:材料費が安い

グラスウールは他の断熱材より材料費が安く、輸送コストも低いです。

グラスウールに比べて、硬質ウレタンやXPS(押出法ポリスチレンフォーム)はおよそ1.5倍、発泡ポリエチレンは2.5倍近くコストが高いです。

画像:マグ・イゾベールより転載

グラスウールのメリット②:施工コストが安い

グラスウールを施工するとき、フェルト状やボード状のものを壁に埋め込み、それを防水シートで覆うという施工方法になります。吹き込み用の断熱材や現場発泡系のウレタンフォームなどと違い、専用の機械などを使う必要がないので、施工のコストは安いです。

グラスウールのメリット③:切断・曲げなど自由に加工できる

施工時にグラスウールのサイズが壁にあっていなくても、その場でグラスウールをカッターで切断して、壁の幅、高さに合わせることができます。

加工するのに専用の機械などを使う必要がなく自由に加工できます。

グラスウールの3つのデメリット

一方でグラスウールには以下のようなデメリットも存在します。

  1. 隙間なく施工するのが難しい
  2. 水で濡れると断熱性能が失われる
  3. 防音性能はセルロースファイバーに劣る

グラスウールのデメリット①:隙間なく施工するのが難しい

先ほども述べたとおり、グラスウールを隙間なく施工するならば、職人の相応の施工技術が求められます。グラスウールを押し込みすぎたり、隙間ができてしまったならば、それだけで断熱性能が落ちてしまいます。

こういったところは、カタログで性能を見るだけでは分からないですよね。

グラスウールのデメリット②:水で濡れると断熱性能が失われる

グラスウールは湿気に弱く、一度濡れてしまうと断熱材として役に立たなくなります。

それを防ぐためにグラスウールは袋詰めの状態で施工するか、透湿防水シートによる施工が必要になります。

グラスウールのデメリット③:防音性能はセルロースファイバーに劣る

グラスウールは防音性能が高いのですが、セルロースファイバーの防音性能には及びません。

実際にグラスウールとセルロースファイバーで防音性能の実験をしてみました。こちらの動画をみてもらうと、直感的に理解しやすいかもしれません。


グラスウールは、100〜700Hzという低周波数の騒音を吸音する性能が低いのです。たとえば、救急車のサイレンは700〜1000Hz、車のクラクションは400Hzです。

本当に遮音したい騒音は、こういう交通騒音ではないでしょうか?

こういった防音性能についても、グラスウールよりもセルロースファイバーの方が有利になります。

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