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土地探しの前に知っておきたい超基礎知識③ その土地、ちゃんと調べてから買った?! 一見、お得に見える土地にありがちな落とし穴にご注意!

土地探しの前に知っておきたい超基礎知識③ その土地、ちゃんと調べてから買った?! 一見、お得に見える土地にありがちな落とし穴にご注意!

家を建てようと思っている時、価格や住所から一目惚れしてしまい焦って土地を購入。後から建設会社を探せばいいと考えている方は、結構多くいらっしゃいます。でもそうした行動にはリスクが隠れていること、ご存知ですか?

今回は、「一見、お得に見える土地にありがちな落とし穴」について、土地探しのプロで、ウェルネストホームで土地探しのお手伝いをしている、不動産エージェント、スタイルオブ東京株式会社の田坂妙子さんに、話を聞きました。「土地探しの前に知っておきたい超基礎知識①」「土地探しの前に知っておきたい超基礎知識②」もぜひご覧ください。

プロフィール
田坂 妙子 Taeko Tasaka

得意エリア:東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県
興味・関心:コミュニティ・デザイン・建築
保有資格:宅地建物取引士

<自己紹介>
広島県広島市出身
法政大学 国際文化学部 国際文化学科卒業
◼︎大手ハウスメーカー/営業→ハウスメーカーで家づくりの全体像を掴む
◼︎建築設計事務所/商品企画、営業、広報→工務店と組んだデザイン住宅の新ブランド立ち上げに携わる
◼︎不動産コンサルティング会社/事業企画、営業→集合住宅(コーポラティブハウス)を事業計画立案~竣工・引渡しまでプロデュース

私のキャリアのスタートは、新卒で就職をしたハウスメーカーでした。
住宅のことも不動産のことも全くの素人で入社をし、営業としてお客様のお手伝いする中で、家づくりの基礎を習得しました。
設計事務所では、「設計事務所+工務店」でデザイン性もクオリティも高い一戸建てを目指した新ブランドの立ち上げにあたり、マニュアルのない家づくりをする中で、たくさんの人が関わるモノづくりの裏側を知りました。
不動産のコンサルティング会社では、自由設計ができる集合住宅(コーポラティブハウス)の企画から完成まで一気通貫して数年単位のプロジェクトを統括するコーディネイターとして働いていました。
注文住宅、中古リノベーション(戸建、マンション)、土地・建物の売買仲介、一通りの業務経験があり、不動産と建築の両方が分かる比較的珍しいキャリアの持ち主だと思います!

住宅選びの際は、とかく土地や建物の不動産としての価値に目が行きがちですが、
「そこでどんな暮らしがしたいのか=自分にとって豊かで幸せな暮らしの軸は何か」を見失わないことも大切です。
インターネットで少し調べれば情報が溢れる時代ですが、だからこそ、ユーザーにとっては真実が見えづらくなっているようにも思います。 ひとつひとつ紐解いて、答えを見つけましょう!

想定以外の付帯工事がかかる落とし穴

がけに隣接する土地は要注意

お得に見えたからといって、その土地のことを調べずに、金額だけを見て買ってしまうと、後々、追加で工事が発生したり、そもそも希望する家自体が建てられなかったりする可能性もあります。
よくあるケースでは、がけの上やがけの下にある土地です。がけは、マイソクなどの広告には書かれていないことが多いため、相場より安いと思って購入した人が、いざ建物を建てようとした時、トラブルに巻き込まれることもあります。

各自治体には、通称「がけ条例(※1)」があります。万が一がけが崩れた時の安全性を確保しましょうというもので、土地と隣接しているがけの高さが、例えば東京都であれば2メートル以上、横浜市であれば3メートル以上あった場合、条例に則りがけから離れた場所に建物を建てなければなりません。この「がけ条例」を守らなければ、建築の申請は通りません。

(※1 東京都であれば「東京都建築安全条例第6条」)

もし条例通りの距離を取ることが不可能だった場合、がけ上に建物を建てる場合は、がけが崩れても建物の安全性が確保できる深さまで杭や基礎を打つ必要があります。がけ下の場合は、主要構造部が鉄筋コンクリート造、または鉄骨鉄筋コンクリート造にするか、がけ崩れが起きた際の土砂をブロックするための擁壁を設置しなければなりません。

いずれも多額の費用がかかります。「がけ条例」を知らずに土地を購入してしまうと、こういった付帯工事の費用が発生してしまうのです。

もし、当時の開発申請や工作物申請の維持・管理が適正になされていれば、安全性を証明できる場合もあります。とはいえ、当時の審査基準と今の基準とでは異なる点もあるため、注意が必要です。

ウェルネストホームでは、100年住める家をモットーに、お客様に住宅を提供しています。そのため、各自治体の建築確認申請の基準を満たすことはもちろん、将来にわたっての安全性の確保、維持管理の面から、他の土地をお勧めすることもあります。詳細はお問い合わせください。

建物の建築については建築のプロに聞くのが一番!

一概に土地と言っても、元々、畑だったり、駐車場だったあり、あるいは前述したがけに隣接していたり、近くに川が流れているなど、様々な土地が存在します。
多くの方が、不動産会社を通じて土地を紹介され、その土地の特徴や状況の説明を受けて購入に至ると思います。

「不動産のプロが紹介してくれたらから、大丈夫」

そう思いがちですが、不動産のプロと、建築のプロは別です。

不動産会社の営業社員から、重要事項説明を受ける際、その土地に建物を建築するにあたって守らなければいけないルールについて詳細説明がありますが、それによって発生する費用や具体的な問題点まで教えてくれるとは限りません。不動産会社は、土地の取引として適正な内容の説明と取引はできますが、実際に家を建てるわけではないため、その土地に、法令を守って建てた家がどのような建物になるのかを想定することは、建築の専門的な知識が無いと難しく、建築のプロに直接聞くしか方法はないのです。

そのため、いざ建物を建てようとした際、当初、想定していた建築費用より大幅に予算をオーバーしてしまう可能性があります。

土地を先に購入し、建設会社を訪ねてくるお客様は多くいらっしゃいますが、設計士などの建築のプロから見た時に、「なぜこの土地を買ってしまったの?」と思ってしまうケースはしばしば見受けられます。

「不動産会社の営業社員ならなんでも知っている!」と思い込まないよう、十分注意してください。

インフラ設備の引き込み費用

例えば、元々、駐車場だった土地を例にして考えてみましょう。
駐車場だったということは、生活に必要な電気やガス、水道といったインフラが、敷地内まで引かれていない可能性が高いです。すると、引き込むための工事や設備の設置に費用が発生します。

水道であれば、水道管の引き込み工事費用が発生し、引き込む距離によって数十万円はかかると言われています。また、水道メーターには所有権があるため、設置のための負担金も発生します。元から設置されていた場合も名義変更の手続きがあります。
販売図面には、「設備」として上下水・ガス・電気と書かれていたとしても、あくまで全面道路に引き込みができる状態になっているかどうかを記載しているだけのケースが多いため、土地の中に引き込まれているかどうか、こうした申請費用はいくらぐらい発生するかは、ご自身で確認する必要があります。

電気については、道路にある電柱から電線を伸ばして届く範囲の場所であれば、比較的安価に電気の引き込みが可能ですが、もし道路から離れて、電柱からも遠い土地だった場合は、電柱を新設したり、移設したりしてもらうことになります。
その際は、地域の電力会社に問い合わせて、費用の負担について相談する必要があります。

また、中には電線が購入した土地の中(頭上)を通っていることもあります。すると、工事の時に邪魔になったり、電線カバーの設置費用が発生したり、間取りや階層などの建築プランにも影響してくる可能性があるでしょう。こちらも現地に行かないとわからない情報なので注意が必要です。

隣地との境界にあるブロック塀は要注意

続いて、隣地との間に設置しているブロック塀についても考えておきたいと思います。

ブロック塀
▲ブロック塀

このブロック塀は、建築基準法によりコンクリートブロック造であれば、基本的には高さ1.2メートルまで、一定間隔(3.4m)おきに控え壁を設置できれば、2.2メートルまでという規則が設けられています。

控え壁
▲控え壁

積み方には、自分の敷地内に積む「内積み」と、隣地との境界線上に積む「芯積み」、そして自分の敷地内ではなく隣地が内積みしている「外積み」の3パターンあります。

芯積み
▲芯積み
内積み
▲内積み

「内積み」や「外積み」の場合は、そのブロック塀は設置した所有者のものとなるため、トラブルは発生しにくいですが、問題は「芯積み」だったケースです。芯積みだとお隣さんとの共有物になるため、何をするにもお互いに承諾する必要があり、維持管理することが難しいと言われています。例えば、修繕しなければならなくなった時に支払う費用の割合などは、トラブルになる可能性があります。

とはいえ「内積み」だと、維持管理がしやすくなる一方で、設置する費用を全て負担しなければならないのと、敷地が狭くなるデメリットもありますので、十分に検討しましょう。

トラブルの種になりやすい土地の条件

住んでから後悔しやすい土地とは

こうした問題以外にも、付帯工事は発生しませんが、建築する段階でトラブルの種となりえるケースには、次のようなことが考えられます。

①ゴミ集積所
建築場所の目の前にゴミの集積所があると、見た目が悪くなるのはもちろん、臭いや人の出入りが気になる可能性があります。当然、玄関の位置や間取りにも影響してくるでしょう。集積所は勝手に動かせませんから、万一移設を希望するなら、自治会との民民の交渉が必要です。逆に、遠くにある場合も、そこまでゴミを持って移動しなければならないため、日々の暮らしに及ぼす影響は大きいでしょう。

②公園
昼夜問わず人が集まる可能性があるため、騒音や砂埃などを不快に感じる可能性があります。

③鉄塔
鉄塔が近くにあると、「なんとなく体に悪いのでは?」と感じる人も多いと思います。また、また、以前ゴルフ場練習場周辺を囲っていたネット用の鉄塔が台風によって倒壊し、近隣の住宅に覆いかぶさった事故を覚えている方も多いでしょう。こういったリスクもゼロではありません。

④墓地
「怖い」というイメージから相場が安い傾向にあります。一方で、周辺を遮る高い建物がなかったり、今後も開発の可能性も少ないなど、メリットもあります。

⑤ゴミ処理場
ゴミを燃やすい際に発生する臭いや煙による空気汚染、頻繁に出入りする収集トラックの騒音など、近隣にあると不快に思われる人も多いでしょう。

⑥日常的に通う施設
学校や病院、コンビニ、スーパーマーケット、図書館、ジムなど、ご自身が普段通う施設がどこにあるか把握しておくことも大切です。夜や雨の日などでも通いやすい場所が好まれる一方、人の出入りが多いと騒音や車の排気ガスなども気になるかもしれません。

なお、①~⑤については、明確な定義はありませんが、契約時の重要事項説明で、「物件状況報告書」の「売買物件に影響を及ぼす可能性がある施設」に記載されることになります。

他にも、ゴミ置き場がきれいに清掃されていない、近くにゴミ屋敷がある、落書きが多い、道路にゴミがたくさん落ちている、放置自転車があちこちにある等、そのエリアにどんな人が多く住んでいるかについても考える必要があるでしょう。建築的な要件はクリアできていても、肌感覚として住みたくないと思ってしまう土地も多いと思います。

また、坂道が多かったり、河川があり水害の可能性があったり、水捌けの悪い場所だったり、土砂災害が起きやすそうだったりなど、地形的についても見ていくことが重要です。土地探しの際は、こうした点も踏まえて確認しておきましょう。

できるなら私道は避けるべき?!

私道は、前述した芯積みと同様、その所有者が所有権を保有します。そのため、購入した土地が私道と接していると、その道路を通行する際には、私道の所有者に通行の許可を取らなくてはなりません。また、万一、地震や台風、水害などにより私道が破損してしまった場合においても、勝手に補修や修繕を行うことはできません。何をするにもまずは所有者に確認、承諾を取る必要があります。
なお、私道を修繕する際に発生する費用は、所有者負担となります。
公道と私道は、見た目は同じような道路に見えても種類は様々。権利や維持管理についても違いがあります。
特に個人所有の私道だった場合は、誰がどのように所有(単独・共有)し、建築基準法上の道路として認定されているかどうかが重要です。融資に関わるケースもあるので、事前に詳しく調べておくようにしましょう。

まずはイメージすることが重要

このように、向こう何十年も住むことになる家ですから、ほんの僅かだったとしても面倒やトラブルは避けた方が良いではないでしょうか。
そこで土地選びの段階から、どのような家を建てて、どのような生活を送りたいか、を想像し、実際にイメージしてみることは重要です。イメージした家を建てられる土地を選べば、面倒やトラブルは減るでしょう。

ウェルネストホームでは、高耐久、高寿命の家を建築することを第一に考えているため、土地を調査した時点で、家を建てられないと判断することもあります。
しかし、オーナー様に費用面、工期面にご納得いただき、付帯工事を行うことで、安全性を確保できる場合に限り、建築することもあります。

ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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